《もくじ》
プロローグ(序章)
1 ミルカー(搾乳機)の開発
2 なぜ、いまさら「ふたたび酪農」を書くのか?
3 若い知性に期待する「後世、畏るべし」が筆者の基本姿勢
4 酪農の歴史は農場の庭先で創られる
5 議員立法が正しい姿:立法府の存在理由
6 酪農の産業(生業、職業、ライフスタイル)としての特質
7 酪農に関する宗教間対立と祖国喪失感を理解する
8 酪農家は小異を捨てよ! 仲間なしにあなた一人で酪農はできない
9 人類が狩猟採集生活をやめたことが、どんな変化をもたらしたか
10 酪農は人々を魅惑する。しかし酪農は誤解されることが多い
11 規模拡大に伴う雇用をどう理解すべきか
12 アメリカの農業改良普及事業:日本の普及事業の縮小に断固反対する
13 序章で忘れてはならない特別問題:あまりにも重要なエクステンション問題!
〜アメリカ州立大学における教育研究普及体制を理解する:日本における基本的誤解〜
(1)ランドグラント大学(Land-Grant University)
(2)エクステンション事業の概要
14 勉強すべきこれからの酪農の主旋律を説明しておこう
15 酪農を酪農らしくやるためには精神論も必要だ 第T章 酪農の近未来を俯瞰的に概説する
1 酪農産業の変化の方向と速度を考察する
(1)農場規模は二極分化する:家族労働と雇用スタッフ
(2)大規模酪農のビジネス的、技術的な特質を考える
(3)大規模酪農の経営戦略を展望する:何が成功の秘訣か?
(4)小規模酪農も優れた経営は悠々として生き残る
(5)規模の二極分化をまとめる:大規模経営も依然として家族経営である
2 酪農技術体系の進む方向を検討する
(1)農業(酪農)の特性についての理解
(2)早急に正さなければならない農業に対する誤解
1)農業は自然や生き物を相手とする産業だから、科学や理論どおりにはいかない
2)農業者に高度な学校教育は必要ではない
3)優れた農業者になるためには、長年にわたる経験と「カン」が必要である
4)科学技術を駆使した大型機械化農業と、自然の生態系を尊重した有機農業は相反する
(3)シュルツ博士の命題と酪農
(4)乳牛の生産性を規定する基準は過去にどう考えられたか
1)乳牛がすべての時代
2)短絡した濃厚飼料多給の時代
3)飼料給与戦略、フィーディングマネジメントの時代
4)乾乳期を含む乳期全体のマネジメント、BCSと乾物摂取量重視の時代
5)カウコンフォートと行動学の時代
6)タイムバジェットの時代
(5)手段の目的化(フェティシズム)について
1)酪農における手段の目的化に注意を喚起する
2)規模拡大の目的について考える
3)機械化の目的について考える
4)高産乳牛群の目的を考え
5)ロールベール乾草の目的について考える
6)牛舎内除糞の目的を考える:すべての方法が目的を達成できるわけではない。
(6)乳牛飼料プログラムとセンイについて(peNDF)
1)物理的有効NDFの概念の重要性
2)物理的有効NDF(peNDF)はルーメン機能に最大の影響を与える
(7)乳牛の飼料プログラム設計モデル(ソフト)の利用についての考察:栄養コンサルタントの力量について
1)コンピュータモデル開発前の時代
2)1970年代の後半にはCNCPSの必要性が認識されていた
3)CPM Dairyのモデルとしての特徴
4)CPM Dairyを使うときの絶対の心構え
5)栄養コンサルタントの役割を誤解している人が多い
6)1回しか農場を訪問しないコンサルタントは信頼できない
7)CPM Dairyなど使うことが意味のない農場
第U章 酪農に関する筆者の勝手な自己表現(余談、評論)
1 「乳と蜜の流れる」約束の理想郷カナン(Canaan)
2 酪農は雄大な世界宗教史から考察すべき産業である
3 酪農と一般社会の関係:デリケートな問題
4 BSE問題と日本人の集団ヒステリー
5 国家公務員の突然の変節(農村に対する背信行為)
6 日本人は雑食性の農耕民族、畜産は下手である
7 西欧諸国にろくな国はない
8 酪農は「ロマン」ではない:勘弁してほしい
9 国家の原型は農業と畜産の開始とともに作られた
10 酪農の楽しみ方:牛の気持ちは…下手の横好きでもいいか
11 酪農エピソードあれこれ
12 乳牛は変な動物であると思う
13 乳牛は我慢強く愚鈍(サイレント動物)である
14 プロダクションメディシンという概念が生まれたのはなぜか?
15 アメリカ酪農産業における獣医師の地盤沈下
16 農業改良普及センターの現代的意義について
17 新しい技術や生産資材に対する酪農家の反応
18 日本飼料産業の発展史は世界に類を見ない特殊なものである
第V章 乳牛行動学は産業技術に昇華される
1 乳牛行動学の産業技術化は端緒についたばかりである
2 Dr. Sniffenと筆者との逸話:彼は筆者が本気であることを理解した
3 乳牛行動学の日本独自の研究方向
4 乳牛行動学の視点:「餌付け」と「人付け」
5 牛舎施設に制約される乳牛の生来行動
6 自己保存行動は基本的な欲求
7 牛舎内の採食行動は学習行動
8 休息行動は乳牛生産性の中心概念
9 牛舎内の歪んだ社会的行動
10 人間と牛とが混在した酪農コミュニティ
11 乳牛の育種改良は何を意味するか
12 子牛コントロールの考え方
13 子牛に対する人間の刷り込み
14 子牛に何を教えるか
15 牛は清潔感覚を持っている
16 反芻動物へのスタート
17 乳牛の学習行動と生来行動
18 生来行動としての初産分娩
19 生来行動としての哺乳行動
20 人工哺乳では何を学習させるか
21 初妊牛の分娩に人間がどう関わるか
22 初回搾乳にはどんな意味があるのか
23 新生子を個体飼いする目的
24 哺乳子牛に学習させること
25 子牛と人間の間柄をどうするか
26 牛と人間の関係:三つのパターン
27 グループ(コミュニティ)内の行動の学習
28 研究は新しいコンセプトを提出する
29 「生来行動」と「学習行動」の復習
30 「生来行動」は尊重すべきか
31 必要とされる「学習行動」と学習がマイナス効果になる「学習行動」
32 コミュニティペンのデザインの原則
33 フィーディングフェンス(給飼柵)の構造
34 採食通路のデザイン
35 給飼マネジメントの本質
36 給飼マネジメントの考え方
37 学習行動を考察する
38 乳牛は本来捕食される側の動物である
39 採食行動を考察する
40 軽いモチベーションを抑制する要因
41 スコアリングシステムで評価する
42 飛節スコアを検討する
43 酪農を職業とする精神的根拠を考える
44 自律神経系による支配メカニズムを理解する
45 牛の社会的構造と生産性
46 人間の基本的なポジション
47 牛にトレーニングをすることが必要なケース
48 牛を人間のコントロール下に置くこととは何を意味するか
49 マクロマネジメントとミクロマネジメント
50 酪農における代表的なマクロマネジメントシステム
51 年中放牧方式
52 牛舎で飼養するという管理思想
53 カウコンフォートと人間のコントロール
54 乳牛という生物をどう理解するか
55 恥を知らないマスメディア
56 狩猟をやめて農耕を始めた人類に何が起きたのか?
57 先史時代の狩猟民族とその戦略的思考
58 農業・畜産を考えるときの基調として必要なこと
59 21世紀酪農が繁栄する要件
60 将来の研究課題は何か?
61 牛に関する原体験
62 日本人は未熟な畜産国民
63 酪農家は牛の行動を少ししか理解していない
64 牛を前後に動かすためのバランスポイント(Point of Balance)
65 フリーストールにおける牛の行動
66 議論に終わりはないが、一応まとめるか
67 シニア世代の「お説教」…読みたくなければ読むな! むかつくぞ!
第W章 1990年代前半における技術的定説:基本の変わらない定説:新しい知見
1 育種改良、遺伝に関する酪農家の常識
(1)はじめに
(2)育種改良プログラム
(3)遺伝に関する酪農家の常識
(4)生産性に関する遺伝形質
(5)“一対の遺伝子”以上が関係する遺伝
(6)集団遺伝学(Population Genetics)
(7)集団遺伝学を理解した種付け
(8)ヤングサイヤーをどう位置付けるか
(9)血統は信じられるのか
2 子牛(Calves)の管理の基本
(1)はじめに
(2)分娩から哺乳期の管理
(3)初乳の品質に影響する要因
1)乳牛の品種
2)年齢
3)分娩後の搾乳回数
4)乾乳期間の長さ
5)分娩前搾乳、漏乳
(4)初乳マネジメントのキーファクター
1)受動免疫獲得の程度
2)初乳の吸収効率
3)初乳の給与方法
(5)子牛のヘルスプログラム
(6)Andy Johnsonの正しい子牛プログラム
(7)初乳の後の哺乳プログラム
(8)哺乳期の子牛施設
(9)カーフハッチ(Calf Hutch)の原則
(10)寒冷牛舎における子牛用個体ペン
(11)子牛観察のポイント
(12)おわりに
3 Clean, Dry & Comfortableの原則(清潔、乾燥、快適の原則)
(1)はじめに
(2)ストール(牛床)の快適さ(stall comfort)
(3)タイストール(繋ぎストール)
1)牛が立ったり座ったりの動作をするときの頭の動きを、自然に近い形で保証する
2)エサを喰うときに、ストールの構造が邪魔にならないこと
3)牛床材料と敷料が前膝や飛節に摩擦とならず、立ち上がるとき後肢が滑らないこと
4)牛床の仕切りについて
5)カウトレーナーについて
6)タイストールのまとめ
(4)フリーストール
1)ストールの正面柵(Front Partition)
2)ストールの仕切り柵(Side Partition)
3)ストールデザインに関する重要なヒント
(5)サマリー
4 採食行動(Feeding Behavior)〜固め喰い(Slug Feeding)について〜
(1)はじめに
(2)スラグフィーディング(Slug Feeding)
(3)スラグフィーディングの原因となる要因
1)飼料給与体系
@飼料給与回数
ATMR vs. 粗飼料濃厚飼料別給与
Bバンクマネジメント(Bunk Management)
2)飼料品質
3)乳牛グループの社会的構造(Social Structure)
4)施設デザインとスラグフィーディング
@牛舎の平面図(floor design)
A牛床の設計
Bバンクスペース
C飼槽の構造
D通路表面の歩きやすさ(walking comfort)
E換気とヒートストレス対策
5)Cow Time Budget
6)飲水施設と水へのアクセス
@水の供給量
A給水器の清潔さ、水の新鮮さ
B水場の数と配置
(4)おわりに
5 Cow Comfort(乳牛の快適性)〜牛舎との関係についての科学的考察〜
(1)初期の牛舎の発想
(2)Cow Comfortの概念
(3)牛群の社会的構造とCow Comfort
(4)通路の構造とCow Comfort
(5)人間のマネジメントとCow Comfort
(6)牛床(ストール)の構造、素材とCow Comfort
1)ストールの床面の素材
2)ストールの正面柵(フロントパーティション)
3)ストールの仕切り柵(サイドパーティション)
(7)Cow Comfortと牛群成績
6 乳質の向上と乳量の最大化〜乳質の意味すること、およびミルキングシステムと搾乳方法〜
(1)高品質牛乳とは何か?
(2)乳質に影響する要因について
1)乳成分に影響する要因
2)体細胞数に影響する要因
3)細菌数、生菌数に影響する要因
4)セジメントに影響する要因
5)風味に関する要因
(3)乳質向上は総合技術
(4)ミルキングシステムの役割
(5)正しい搾乳の手順
1)搾乳手袋をはめる
2)前搾りをする
3)プレディッピングをする
4)30秒のコンタクトタイムを取る
5)乾いたタオルで拭き取る
6)ミルカーユニットを装着する
7)ユニットの位置調整
8)ライナーのスリップ防止
9)ユニットを外す
10)ポストディッピングをする
(6)搾乳時にやってはいけないこと
(7)まとめとして
7 乾物摂取量(DMI)とバンクマネジメント(Bunk Management)
(1)はじめに
1)フィードライブラリーの充実
2)結果の観察に基づくフィードバック
3)採食行動を支配する要因を分析する
(2)乾物摂取量(DMI)を左右する要因
1)乳牛の要因
2)飼料と飼料プログラムの要因
3)環境の要因
4)乳牛の社会構造の要因
5)飼槽構造の要因
6)水の要因
7)飼料給与マネジメントの要因
@設計された飼料プログラム
A給与された飼料プログラム
B採食された飼料プログラム
8)バンクマネジメントについて
9)残飼量についての分析
10)サイレージの汚染と二次発酵
11)一般的なバンクマネジメントのポイント
(3)まとめ
8 スコアリングシステムの意味?マネジメント手法として考える?
(1)計測できないものは管理できない
(2)スコアリングは共通言語の創造
1)ボディコンディション・スコア
2)糞スコア
3)バンクスコア
4)跛行スコア
5)パーラー行動スコア
(3)スコアリングは篤農技術を伝達可能な普遍的技術にする
(4)スコアリングは産業技術の典型である
9 乳牛行動学と畜舎管理学の接点〜?コンサルタントに要求される資質〜
(1)はじめに
(2)コンサルタントの持つべき問題意識
(3)トラブルシューティングに必要な観点
(4)農場におけるコンサルタントの視点
1)換気効率を判断する
2)乳牛行動の現状、心理的ステータスを見る
3)反芻について総合的な観察をする
4)採食行動について総合的観察をする
5)残飼の状況を評価する
6)乳牛と人のコミュニティの安定の程度を判断する
7)牛の体の傷を観察チェックする
8)スコアリングシステムの活用
(5)コンサルタントに要求される資質
(6)サマリー
10 乾乳期に関する技術体系は変化している
(1)乾乳期のほうが重要というのはなぜか
(2)Dr. Grummerの短い乾乳期に関する考え方
1)乾乳期を短かくすることの利点
2)乾乳期60日という推奨の歴史的根拠
3)乾乳期60日という定説を再考する根拠
(3)まとめ
11 第四胃変位は予防できるか?−分娩前後の種々の代謝病との関連を考える−
(1)はじめに
(2)分娩前後の代謝病はミラーボール
1)乳熱とケトーシス
2)難産と後産停滞
3)アシドーシス
4)ケトーシス
(3)第四胃変位は予防しなければならない
1)第四胃変位予防で考慮すべき要因(Shaver)
2)乾乳牛の粗飼料
3)フィードバンクマネジメント
(4)まとめ
第X章 酪農は変貌する
1 酪農は変貌する−産業としての未来を洞察する−
(1)酪農は変貌することをやめない
(2)構造調整はさらに加速する
(3)大規模精密化がキーワード
(4)規模拡大の考え方が運命を決める
(5)規模拡大のスリーストライクアウト!
(6)実習生制度は過去の遺物
(7)大規模化と技術革新
(8)酪農はビジネスになる
(9)多様性を許容することが活性化の源
(10)酪農の社会的地位
(11)技術革新の本質を考える
(12)近未来の技術動向を予測する
1)蹄にかかるストレスを軽減する牛舎
2)ヒートストレス対策の進展
@換気による対策
A揮発冷却で環境空気を冷やす
B牛の体を濡らして揮発で体熱を奪う
Cヒートストレス対策での水の重要性
Dヒートストレスへの栄養的対策
2 酪農比較論:アメリカ酪農を通して日本酪農を考える
(1)アメリカの酪農学者
(2)アメリカ酪農では乳価が激しく変動する
(3)アメリカ酪農では技術革新と技術の陳腐化が共存している
(4)カリフォルニアの酪農の特質
(5)「アメリカ酪農」などというものは存在しない
(6)アメリカ酪農の多様性
(7)アイダホ州、ニューメキシコ州
(8)主要酪農州トップ10
(9)大規模化の様相
(10)酪農はサイエンスになった
(11)アメリカで起きたことは日本でも起きる
第Y章 ふたたび酪農:特別サービス編
1 日本人はアメリカをほとんど知らない:アメリカ黒人奴隷の歴史
2 人間の学問の種類とその特徴:古典の素晴らしさについて
3 動物と人間の乳房の数と位置に関する雑考
4 オス(雄)とメス(雌)の生物学的考察
エピローグ(終章)
1 酪農の日本社会におけるポジションを理解する
2 酪農の飛躍のためのキーワード
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