《2006年08月31日》

酪農技術向上セミナー
「未経産牛の飼養管理技術について」
講師:米国イリノイ大学 マイク・ハッチェンス教授

 物産バイオテック鰍ニオルテック・ジャパンは、8月7〜10日にかけて全国3カ所でイリノイ大学マイク・ハッチェンス教授による酪農技術向上セミナー「未経産牛の飼養管理技術について」を開催した。同氏は昨年に続いての来日で、昨年のテーマ「仔牛の育成技術」に続く講演となった。

未経産牛育成のゴールを設定しよう
 ハッチェンス教授が考える未経産牛の育成のゴールは、
@遺伝的に最適な成長を達成する、A23〜24カ月齢で分娩する、B経済的な飼料を利用する、C労働力と生産費用を最小限にする、D確実なワクチンプログラム設定し、疾病感染の危険性を避けストレスを最小限にする、である。

育成は投資か、それとも経費か
 育成牛は「投資」であり、日本では約2000ドル(約24万円)、イリノイ州では1300〜1350ドル(約16万円)の費用がかかる。しかし、育成牛は生産しない(金にならない)ことから、大雑把な飼養管理で、低品質な飼料を給与していることや、与えすぎると過肥になってしまい分娩後の問題を懸念する考え方があった。
 新しい酪農家の考えは、分娩は23〜24カ月齢にすることで生涯乳量を最大限獲得できるというものである。そして同時に、早く分娩することにより飼料費が120〜180ドル節約でき、早く牛群に入ることにより更新率が上がり、飼養頭数の削減にもつながる。また、飼養頭数が少ないということは施設も小さくてすみ、早く育つことにより早く生産する(金になる)という考え方である 。
 23〜24カ月齢で分娩させるためには、成牛の体格に比較した成長を生物学的指標で理解しておく必要がある。性成熟は成牛の体格の45%で初めての発情がくる。そして、種付けは成牛の体重の55%、体高の89.6%で行い、分娩は成牛の体重の85%、体高の96%で行う。成長の影響と産乳量を比較すると、初産体重590kg(胎盤・胎子の重さ含まない)のときに分娩することが良い。そのためには離乳後の増体重が800g必要ということになる。

詳細はDairy Japan10月号で報告します。


「未経産牛は費用ではなく投資だ」と語るマイク・ハッチェンス教授