「減産でも凹まない」ためのポイントはここ!
減産型計画生産のもとで、生乳生産部門はどこも減収だったはず。そんななかでも、ロスを省き、経営の質を高めてダメージを最小限に喰い止めた農場をルポした。あなたの経営に役立つヒントがここだ!
現場ルポ 少しでもマイナスを喰い止める手立てを試行錯誤している大規模農場
北海道でタイプA(経営維持・拡大意向)のA牧場・B牧場の場合
いろいろマイナスが生じて、凹まなかったというわけではない
十勝管内A町のA牧場は経産牛が500頭以上の大規模農場。規模拡大を目指す経営方針なのでタイプAを選んだ。昨年(18年)度はタイプAも結局は減産を求められる形をなったが、そのことについてAさんは、「一昨年(17年)度の後半から体制が敷かれて、そのときからかなり減産した。もちろん廃用にも出したが、できるだけ頭数を減らしたくなかったので、それまで3回搾乳だったのを2回搾乳にするなどして対応した。ところが、その搾乳回数を減らしたことがストレスとなり乳房炎が多発してしまった。だから18年度は、それが響くと予想していたが、案の定、生産枠(目標数量)をようやく達成したという状況だった。だから、いろんなマイナスが生じてしまい、決して凹まなかったというわけではない」とまず話した。
畑作農家への委託栽培でコーンサイレージを増やす
そうしたなかでAさんは、少しでもマイナスを食い止める手立てをいろいろ考えた。
まず、3回搾乳を2回に減らしてストレスを受けた牛たちの回復だ。タイミングを計って、昨年度の後半から、また3回搾乳に戻した。「減産下であろうとなかろうと、牛の病気・事故を予防することが、ロスをなくすためには一番大事なこと。とくに乳房炎コントロールは大事だ」とのこと。
そして、頭数を極力減らさなかった分、肉用価格を見ながら経産牛を販売していくようにした。「幸い個体(肉)の価格がいいし、販売できる頭数も多い」と言う。
また、後継牛の頭数も多いことから、メス初生講師も販売するようにした。「値段も、効率も、今は早く売るほうがいいようだ。今年度は、生まれてくるメス子牛の半数くらいは販売しても大丈夫だ」とAさん。
さらに、今年度からサイレージ用コーンの栽培を増やすことも計画している。コーンサイレージの給与量をどれだけ増やすことができるか、そして配合飼料をどれだけ抑えられるかをシミュレーションしている。コーンの栽培そのものは、地域の畑作農家に委託して増やすことは十分に可能だ。
敷料の確保対策もある。大規模農場は使う敷料の量も相当だ。だからAさんは常に、安い敷料を求めるアンテナを張りめぐらしている。
栄養コンサルタントと相談しながら栄養濃度を見直す
Aさんの隣町のBさんも経産牛が400頭以上の大規模農場で、タイプAを選択している。
Bさんも、「なかなか手の打ちようがないのだが…」と前置きしたうえで、取り組んでいる方策を教えてくれた。
まず行ったのは、搾乳牛用のエサの濃度の見直し。「どの泌乳時期で、どの程度まで栄養濃度を落とすことが可能なのか、牛の体調がおかしくならないギリギリのところを、腕の良い栄養コンサルタントとよく相談しながら進めた」とのこと。
さらにBさんもAさんと同様に、敷料にコストダウンを見出せないかと考えている。そこでBさんは、戻し堆肥を敷料として積極的に使うようにしている。肉牛の堆肥を水分調整材として用い、夏場に多く使えるように今から作り置きしている。
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